宇宙という熟語の原点は?
宇宙という熟語の原点は?
「宇宙」という熟語の原点は、中国の古典思想にあります。この語は本来、時間と空間を表す言葉の組み合わせであり、具体的には以下のように分解して理解されます:
「宇」:空間の広がり、特に四方の広がりを意味する。
「宙」:時間の継続、つまり過去から未来への時間の流れを指す。
このように、「宇宙」という語は、空間的な広がりと時間的な継続の全体=あらゆる存在の総体を意味する語として成立しました。
「宇宙」という語の最古の用例は、**戦国時代末期の中国の文献『淮南子(えなんじ)』**に見られます。具体的には以下のような文があります:
「宇者、四方上下;宙者、往古来今」
(宇とは四方上下、つまり空間の広がりであり、宙とは過去から未来にわたる時間の流れである)
このように、「宇宙」はもともと哲学的・形而上学的な用語であり、現代のような「天文学的な宇宙(cosmos)」の意味は後世になって拡張されたものです。
つまり、「宇宙」は最初から「空間」と「時間」の統合された概念として構想されていたという点で、現代科学の「時空」という考え方と奇妙に通じるものがありますね。中国古典の深い洞察に唸らされるところです。
2025.5.23